OpenAIは、公式ウェブサイトを通じて、視覚芸術家やデザイナー、クリエイティブディレクター、映画製作者などが「Sora」で制作した動画7本を公開しました。その中には、AIやスマートフォン、ドローンなどの実験的技術で短編映画を制作する映画監督のポール・トリロー監督や、トロントの実験映画制作会社シャイ・キッズ(Shy Kids)、エミー賞候補にもなったクリエイティブエージェンシー、ネイティブ・フォーリン(Native Foreign)などの名前が見られます。
これらの動画は、「Sora」がリリースされた先月、独占的なアクセスを得て制作されたものです。そして、この作業に参加した全員が、このプロジェクトに対して非常に高い満足度を示しました。
トリロー(Paul Trillo)監督は、ダイナミックなカメラワークと超現実的なキャラクターが登場する11分25秒の動画を公開し、「Soraとの作業は、映画制作者として、初めて制約から解放された瞬間だった」と語りました。彼は、「時間やお金、他のスタッフの許可に縛られることなく、大胆なアイデアを自由に実験できた」と付け加えました。
また、トリロー監督は「Soraの真価は、既存のものを複製するのではなく、これまで見たことのない新しいアイデアに生命を吹き込むことにある」と強調しました。
シャイ・キッズ(shy kids)は、頭部が風船の「エアヘッド」という短編映画にSoraを使用しました。監督のウォルター・ウッドマンは、「これまで不可能だと思われていた物語を拡張する能力を手に入れた」と述べました。
ネイティブ・フォーリン(Native Foreign:エミー賞候補にもなったクリエイティブエージェンシー)は、「Sora」を使ってノワール風の白黒映画からネオン光の未来都市、飲料やスニーカーの広告など様々なシーンを演出しました。共同創設者のニック・クレベロフは「ブランドパートナーのためのコンセプトを視覚化し、クリエイティブを迅速に繰り返すためにSoraを使用している」と述べ、「もはや予算の問題にクリエイティビティを合わせる必要がなくなった」と強調しました。
音楽家のオーガスト・キャンプ、クリエイティブディレクターのジョセフィン・ミラー、ARおよびXRアーティストのドン・アレン・スティーブンソン、彫刻家のアレックス・ルーベンなども、「Sora」が関連分野における転換点となると述べています。これらの意見は、「Sora」が従来不可能だったシーンの創出やアイデアの現実化を通じて、制作におけるコストや時間の制約を超える可能性を示しています。
OpenAIは、ハリウッドとのパートナーシップを目指す中で、生成AIが従来の制作プロセスを補完し、新たな可能性を開く力を持っていることを示したいと考えています。OpenAIが、ハリウッドとのパートナーシップに先立って強調したいのは、生成AIは、従来の制作陣の仕事を奪うのではなく、以前には不可能だったことを可能にする力を持っているという点です。